「冬になると肌がカサつく・痒くなる!自分は敏感肌?アトピー?」
このように、毎年のように戸惑ってしまう人は少なく無いでしょう。医学は年々進歩しているにもかかわらず、こうした悩みを持つ人が減らないのは、アトピーや敏感肌は明確に定義づけることが難しい症状だからです。特に“敏感肌”には、世界共通の明確な定義が存在しません。
ここでは、アトピーや敏感肌に悩みを持つ人のために、両者の原因や違いを解説しながらモヤモヤを解消するアドバイスをしていきます。
アトピー・敏感肌の人は増えている!
日本でアトピーや敏感肌で悩む人が増えていることは、様々な調査・データから裏付けられています。
平成28年2月に公表された厚労省の「アレルギー疾患 推計患者数の年次推移医」のデータによると、平成14年から平成26年の間でアトピー性皮膚炎の患者はおよそ1.5倍増えていることがわかっています。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf)
また、敏感肌についても「自分は敏感肌」と感じている女児性が増えている傾向にあるようです。資生堂によると、20〜30代の女性の約70%が「敏感〜やや敏感肌と感じている」との調査結果が出ています。
(参考:https://www.shiseido.co.jp/dp/kenkyu/kenkyu01.html)
このような現状があるにもかかわらず、万人に効く薬やサプリが開発されていない点が、アトピーと敏感肌で悩む人が減らない理由でしょう。個人で対策をとり、少しでも症状を改善するには、まずは原因を知ることが重要です。
アトピーとは?

日本皮膚学会によると、アトピー性皮膚炎は以下のように定義されています。
“憎悪・寛解を繰り返す、そう痒のある疾患を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。”
簡単に言い換えると、“かゆみのある湿疹でよくなったり悪くなったりを繰り返す疾患で多くの患者はアトピー素因(アトピーになりやすい体質・遺伝子)を持つ”ということです。
◇原因
アトピーの要因は、「アトピー素因の有無」と「皮膚のバリア機能が低下すること」にあります。この2つに、食物、ダニ、ほこり、花粉などのアレルゲンや汗、衣類による摩擦、冷暖房環境といった要因が加わると、症状が悪化するリスクが高まります。また、睡眠不足やストレスなども症状を進行させる要因です。
◇症状
肌のバリア機能が低下したアトピー性皮膚炎の人の肌は、角質の細胞を埋めている角質細胞間脂質や水分を保つ保湿因子が減っています。そのためアレルゲンが侵入しやすくなり、ヒスタミンという物質を生成することで、“炎症”と“かゆみ”の症状が起こるのです。
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敏感肌とは?

敏感肌には、明確な定義が存在しません。健康な肌に比べてバリア機能が低下しており、皮脂が少なく乾燥しやすい肌をそう呼ぶのが一般的です。
◇原因
間違ったスキンケアや不規則な生活習慣などで、肌のバリア機能が低下し、水分を保つことができなくなるため乾燥しやすくなります。バリア機能を下げる要因としては、長すぎる入浴、睡眠不足、妊娠、生理、ストレス、紫外線、冷暖房環境、汗、ほこり、などがあります。こうした要因を生活の中でできるだけ減らすことが、敏感肌のリスクを低減することになります。
◇症状
敏感肌にはいくつか種類があり、大きく分けると以下の5つです。
- 脂漏性皮膚炎(肌荒れによる過敏肌)
- 尋常性痤瘡(ニキビ)
- 接触性皮膚炎(かぶれ)
- 光線過敏症(光かぶれ)
- アトピー性皮膚炎
見た目が赤くなる、カサカサして粉がふいて見える、痒くなる、ヒリヒリする、など人によって症状が様々で、その程度にも個人差があります。またアトピー性皮膚炎も、敏感肌の一種と分類される場合もあるのです。
アトピー・敏感肌を確実に改善するためには?
アトピー・敏感肌の治療は自分でも可能です。しかし、やり方を間違えてしまうと改善しないどころか悪化・長期化のリスクもあるため注意が必要です。
確実に改善させるためには、一度は皮膚科に相談しましょう。
悪化のリスクを減らせるだけでなく、自分の改善方法が間違っていることに気づけたり、日常生活で簡単にできるアドバイスをもらえるメリットがあります。
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敏感肌やアトピーを悪化させる4つの習慣とは
敏感肌やアトピーといった肌のトラブルは、男女年齢問わず起こり得ます。
また「敏感肌とアトピーは別物」と捉えている人が少なく無いですが、実は両者は密接に関係していることは知っていましたか?
ここでは、両者の関係を解説した上で、「敏感肌・アトピーを悪化させる習慣」と「正しい習慣を続けるコツ」についてご紹介します。
アトピーは敏感肌の一種
意外と知られていませんが、アトピー性皮膚炎は敏感肌の一種です。
「肌がすぐカサついて痒くなる」、「冷暖房やセーターに敏感でヒリヒリする」といった症状がよくある人は、実は単なる乾燥ではなく、アトピー性皮膚炎の症状かもしれません。
つまり、敏感肌に悩む人の中には、遺伝的にアトピー素因を持っていることが珍しくないのです。
また、敏感肌には以下のような症状もあります。
- 吹き出物が出やすい
- 季節の変わり目に肌荒れが起こりやすい
- 湿疹やかぶれが起こりやすい
こうした敏感肌・アトピーの症状は、日々の習慣や環境によって悪化するリスクがあります。
以下、 代表的な4つの習慣を紹介するので、自分が当てはまっていないかチェックしてみましょう。
敏感肌・アトピーを悪化させる4つの習慣
①間違ったスキンケア
「洗顔フォームを肌に乗せたまま放置する」、「クレンジングを何度もする」、「長時間の入浴を続ける」といった肌のケアはすべて間違いです。
これらは、反対に肌の角質を削り取ってしまうので、バリアが薄れて乾燥やかゆみを悪化させ、敏感肌を進行させるリスクがあります。
②バランスの偏った食生活
「辛い物も甘い物も控えているから大丈夫!」と食生活に油断している人は少なくないようです。
もちろん辛い物・甘い物を控えることは大切ですが、やはり大切なのはバランスです。たとえば、辛い物を控えているけど野菜をほとんどとらない食生活だと、ビタミン類が不足して敏感肌・アトピー症状の悪化を招きます。
反対に野菜ばかり食べていると、肌の保湿機能を保つタンパク質が不足し、同様のリスクにつながります。
肉・魚・野菜などの栄養素から、バランスよく栄養素を摂りましょう。
③睡眠不足・リズムの崩れ
睡眠不足や生活リズムの崩れは、敏感肌・アトピーを改善するキーポイントでもある、肌のターンオーバー機能を乱してしまいます。
ターンオーバーとは、古い角質を新しい角質に生まれ変わらせる機能で、約6週間の周期でサイクルしています。
睡眠中に活発化する機能なので、乱れると肌の生まれ変わりができなくなり、肌荒れや炎症の要因となります。
④仕事や人間関係のストレス
ストレスによる血管の収縮やホルモンの乱れも、敏感肌やアトピーを悪化させます。
免疫機能の低下が起こったり、血管の収縮により酸素や栄養が適切に送られなかったりするためです。スキンケアや生活リズムの改善とともに、人と会ったり趣味を作るなどしてストレスを軽減させる工夫が必要です。
正しい習慣を続ける3つの方法
これら4つの習慣をやめて、肌トラブル改善のための習慣を続けるには、どのような意識を持つべきなのでしょうか。
習慣を続けるポイントは、以下の3つです。
- キレイになった自分イメージする
- 写真やメモなどで記録に残す
- パーフェクトを目指さない
毎日、キレイになった自分を具体的にイメージしましょう。
多くの心理学書や啓発書、ビジネス書などに書かれているように、習慣的なセルフイメージは目標を達成するためにとても重要です。
また、写真やメモなどに記録することも大切です。
肌の調子が良くなっていることを経過で見ることで、モチベーションの維持につながります。
そして、完璧を目指さないことも大切です。
たとえば、完璧主義者の人にありがちですが、1日夜遅くまでお酒を飲み過ぎて寝不足になってしまう日があるだけで、「せっかく肌を改善するために習慣を続けてきたのに、もうダメだ」と正しい生活習慣やスキンケアをやめてしまう人が少なくありません。
1日不規則な日があっても、「次の日からまた頑張ろう!」と持ち直すことが、肌の健康を継続的に維持するコツです。
敏感肌・アトピーの放置で起こる5つのリスクとは?
「敏感肌・乾燥肌が続いているけど、面倒だから何も対策してない」
「アトピーかもしれないけどどうせ治らないって聞いたから放置してる」
このように考えている人は、男女問わず少なくないようです。
確かに、毎日にスキンケアをしたり食べ物に気を使ったりするのは、忙しい現代人にとって簡単なことではないでしょう。
しかし、敏感肌やアトピーで傷ついた肌を放置することには、見た目だけでないいくつかのリスクがあるのです。
ここでは、そのリスクについて解説します。
敏感肌やアトピーは改善できる!

まず、敏感肌やアトピーに対して、「体質だから仕方ない」、「遺伝だから治せない」という認識を持っている人は多いようです。
しかし、正しい方法を取れば、完治は難しいとしても肌の状態を大きく改善できることは事実です。
たとえば以下は、敏感肌やアトピーなどの肌トラブル改善に効果的です。
- 肌に合った洗顔料・ボディソープ・タオルを使い、力を入れて洗いすぎない
- 加湿器や保湿クリームなどで、洗顔後・入浴後の保湿をする
- 野菜、魚、肉などをバランス良く食べて、肌に良い栄養素を摂る
- 睡眠をしっかりとるなど、規則正しい生活習慣をおくる
- ジョギングなどの適度な運動で、汗をかいて肌の代謝を促進する
これらは、血流改善や肌のターンオーバー促進などにより、体の内外から「肌のバリア機能」を高める効果が期待できるポイントです。
反対に、こうした対策をせずに放置していると、肌の外見以外にも、日常生活に影響するほどの様々なリスクが起こり得ます。
敏感肌・アトピーの放置で起こる5つのリスク

①アレルゲンや細菌が侵入しやすくなる
皮脂膜が破壊されて肌の保湿機能が低下すると、アレルギー物質や細菌が肌に侵入しやすくなります。
乾燥によってかゆみの症状が出る場合が、代表的な例です。
水分がなくなり乾燥する→かゆくなる→かく→肌に傷がつく→バリア機能が壊れる…といった負のサイクルに陥ってしまうと、ますます敏感肌・乾燥肌が悪化します。
②風邪をひきやすくなる
保湿の習慣をおろそかにすると、肌だけでなく、乾燥によって鼻や喉の粘膜も水分を失います。
そうなると風邪のウイルスが侵入しやすくなり、肌の保湿に気遣っている人よりも風邪をひきやすくなるリスクが考えられます。
③かゆみによる集中力の減退
仕事や勉強で集中しなければならないときに、肌がかゆいことで注意が散漫になってしまった経験がある人は少なくないでしょう。
「集中したくてもできない」という状態は、とてもストレスを感じるものです。
敏感肌やアトピーの人で、冷暖房の効いた乾燥した場所に長くいる時間がある人は、特に肌の保湿には気を遣うことをオススメします。
④見た目が老ける
乾燥してカサついた肌は、見た目を老けさせます。
「人は見た目じゃない」と言いますが、私たちは、日常でどうしても第一印象から他人を判断してしまうものです。
特に、ビジネスや趣味などの場で積極的に人と会う人は、見た目を若々しく保ち良い印象を与えるためにも、肌のケア・肌荒れの改善は大切です。
⑤精神的ダメージによるストレス増加
肌のトラブルは精神的なダメージにもつながります。
自分の外見に自信が持てなくなったり、かゆみやヒリヒリによってストレスが増えたり、といったリスクがあることも知っておきましょう。
敏感肌・乾燥肌やアトピーの症状を放置している人の中には、このリスクに気づかないまま日常生活を送っているかもしれません。
肌環境の改善によって、少しでも日常のストレスを減らしましょう。
上手に付き合っていく意識が大切!
敏感肌やアトピーによる乾燥、かゆみは一朝一夕で治るものではありません。
長い時間をかけて、少しずつ改善していこうとする意識が大切です。
「早く治さないと!」と焦って色々試しても、反対にやり方が間違ってしまったり、ストレスを感じてしまったりして、荒れ方がひどくなる、かゆみが増すなどの危険性があります。
自分でできる対策とともに、皮膚科やアトピー性皮膚炎の専門外来なども活用して、アドバイスをもらいながら上手に付き合っていくようにしましょう。


まとめ
今回は、敏感肌、アトピーについて違いや原因、リスクなどを説明しました。
多くの方が悩んでいる敏感肌、アトピーについて少しは勉強できたでしょうか?
私は以前にお伝えした「乾癬」という皮膚の病気にかかっています。
「乾癬」も敏感肌、アトピーと同じように皮膚に関わる病気の一種です。
このような肌の悩みは身体的だけでなく内面的にも生活に影響してきます。
次回は、この敏感肌、アトピーの対策やお勧めの食べ物などを説明します。
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